んだおい、お前。
 ……返事をしろ、ハッキリとオイ返事をしてくれ。
「ウーム」と、ここにおいてようやく小圓太の「心」がまいってしまった。
 ……それは……それは……それはもう、いまの……このいまのこの生活のほうが。
(しどろもどろに「心」は答えた)
 ……いいんだろう、いまのほうがいいんだろう、ざまアみやがれ、すっとこどっこい[#「すっとこどっこい」に傍点]、そうなくっちゃならねえところだ。
 寸分の仮借なく声ならぬ「声」はせせら笑って――、
 ……第一、お前、この圓生師匠のところへ弟子入りした晩、あの長四畳へ引き取ったとき、何ていいやがった。壁に貼ってあるいろんな落語家の名のびらを見て、もうそれだけでいまの生活に大満足をしてたじゃないか。
 ……それがどうだそれが。まだ一年はおろか、半年も経たないうちにもうこんな口小言をいいだすなんて、これをしも心に驕りがでたといわないで何をいうんだ、おい小圓太おい、俺のいうことに間違いがあるか。
 ありません、たしかにありません。
 うなだれて口のうちで答えた。
 じゃ認めるな、ハッキリと認めるな、心の驕りだったということを。
 ハイ、認めます、す
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