ういう希望のかずかずが、十六むさしの駒のように、あれこれと胸へ浮かび上がってきた。
ひとつひとつ克明にかなえていったら限《き》りがないが、まず扮《な》り。装《こしら》えだった。
思うさま派手な、芸人らしい上にも芸人らしい装えがしてみたかった。絢爛な多彩な柳桜《やなぎさくら》をこき交ぜたような立派やかな扮り。
一にそれがしてみたかった。
そうしてあれが圓朝かと、路ゆく人から振り向いてみせたかった。譬えれば自分の歩いていったあとの道へは、紅白金銀さまざまの花々が散りしき匂っているような、そうした目も絢な振舞がしたかったのだった、かりにも男と芸人と生れきて一度は。
すぐさまそれを実行した。
まず、黒羽二重五つところ紋の紋付をしつらえ、白地へ薄むらさき杏葉牡丹《ぎょうようぼたん》を織りなした一本|独鈷《どっこ》の帯しめた。燃ゆる緋いろの袖裏がチラチラ袖口からは見える趣向にした。群青そのものの長襦袢また瑰麗《かいれい》を極め、これも夕風に煽られるたび、チラと艶《なまめ》かしく覗かるる。とんと[#「とんと」に傍点]花川戸の助六か大口屋暁雨さながらの扮装《いでたち》だった。
これで堂々
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