結果は何よりあのお露お米がカランコロンの下駄の音物凄き怪談噺が、およそ江戸中の評判になってしまって、若き圓朝の名は圧倒的に盛り上がってきた。
この「牡丹燈籠」の腹案を練っている最中圓朝は、かねて贔屓の新吉原金太郎武蔵の主人に連れられて成田詣りにでかけ、そのとき圓朝は護摩料を入れた細長い桐の箱をかついで供をしたのだったが、道中あまりにも構想に全魂を傾け過ぎていたため、三べんも宿場|立場《たてば》の茶屋茶屋へこの大切な桐の箱を置き忘れた。そういう挿話ものこされているのであるが、それはここでは詳しく説くまい。往昔《むかし》の戯作者の口吻《くちぶり》になぞらえ、「管々《くだくだ》しければ略す」とでもいわせて置いてもらおうか。
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第五話 五彩糸
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一
「牡丹燈籠」はもて囃された、ほんとうに。道行く子供たちがカランコロン萩原さんお化けーッと奇妙な手真似をして遊ぶほど、満都に評判が高まってきた。
「おみよ新助」や「累双紙」もいよいよ磨きがかかってきた。初演当時のただ目新しいだけとは事変り、
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