タとくずおれた。そしてはまたすぐその心の底から不思議に元気よく立ち上がっていく。ああこんな真剣な繰り返しを圓朝はおよそ何回何十回としたことだろう。
すればするほど、真打たりたい圓朝の希望は大きく逞しく拡がっていくばかりだった。
なりたい、なりたい、なりたいと、さんざ考え抜き、悩み抜いた末、今度は、では、どうしてなれないのか。
どうしてこの俺だけはなれないのか。なれないにはなれないだけの次第が何かそこにあるのだろう、それを考えだしてみたい。
ふっとしまいにそういう反対の考え方をするようになってきた。
しかもこの考え方は、意外なところで人生行路の敵の虚を突いたようなものだった。
たちまち答案が、そこへでてきた。
……ありふれた噺ばかり演っているからさ。
なるほど、芸質はすでに曙空を仰ぐような佳き紫いろと。だからこそようやく人気も立ちそめてきたが、しかししょせんは自分の演るところの噺、ひと口にありふれたものばかりである。
いくら五十が百おぼえようとそんな噺――。
柳枝さんも演る。
その弟子の榮枝、柏枝も演る。
左楽さんも演る。
さん馬さんも演る。
まだその他にも誰
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