だった。
どうしよう、では。
どうするのだ、一体。
狂おしく心が、心にこう訊ねてきた。しばし小圓太は唇を噛んだ。招き行燈の字面をみつめて、悲しく腹立たしく立ちつくしていた。
「……」
それから小半刻もそこにそうやって立ったままでいたろうか、やがてはじめてあきらめたように向き直ると、小圓太は闇へトボトボ歩きだした。
今夜のこと、そりゃ口惜しいには口惜しいが、いや口惜しくて口惜しくて死にたいほど無念残念やる方ないのだが、でも恐らく誰もが一度は必ず通った修業街道の「門」なのだろう。
だとしたら……だとしたら、エエ仕方がない、俺もくぐろう。
くぐって、またくぐって、どこ迄もくぐり抜こう。そうして、宮志多亭の雷隠居めを見返してやろう。
それより、そのことより他に、手はないのだ、全く。
いみじくもそうおもい定めたとき、クルリとまた首だけ小圓太は振り向いた。もういっぺん春寒の夜空に揺れている「桂文楽」の招き行燈をハッタと睨んだ、またしても涙いっぱいの目で。
「見ろ今に。あの行燈の中へきっと俺、三遊亭小圓太の名前を書き込ませてやるから。見ろ見ろ見ていろ雷爺め」
声は傍から夜風に吹き
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