っ風に吹き曝されて夜目にも仄白く見えるその行燈は、カタカタ寂しい音立てて揺れていた。
「……畜生……」
 思わず小声でこういった。口惜しさが五体の隅々にまで浸みわたって疼いていることがハッキリと分った。
「お、お前を上げるくらいなら御簾を下ろしといたほうがまし[#「まし」に傍点]だとは、な、何てえことを一体……」
 あまりの腹立たしさにガチガチガチガチ歯と歯が鳴りも止まなかった。
「いくら席亭だっていっていいことと……いっていいことと悪いこととあら。あまり……あまりなことをあの爺」

 トプトプ涙がこぼれだしてきた。末の見込があると目のあたり鯉かんに賞められたそのあとだけに肩先深くザックリやられた今夜の傷手は深かった。一分御祝儀を貰ったとおもったら、五両ふん奪られてしまったようなものだった。あとからあとからそういううちにも烈しい憤りはこみ上げてきて自分で自分をどうなだめることもできなかった。
 ままになるなら今すぐとって返し、むしゃぶり付いてってあの爺を音を上げるまで叩きのめしてやりたかった。
 でも……。
 自分が今夜っきり落語家を止めてしまうならともかくも、やっといまこれからやりは
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