は本部の連中の所へ行くんだ。
お秋 ま、行くの? 行つてくれるの?
阪井 俺にはお前と言ふ女が今やつとわかつた。行くよ。なあに、たとへ俺が死んだつて、死んだつて、俺達は勝つて見せる。
お秋 (立つて三畳の方へ出て)さう、勝つて、帰つて来て頂戴。どこまでも、どんなことがあつても、――私達は待つてゐる。
阪井 待つてゐてくれ! 喋つて喋つて喋りまくつて、切りくづしなんか叩き伏せてやるんだ。待つてゐろ、勝つたら連れに来るから待つてゐろ。畜生! (走る様にして出て行く)
弟 (腕を振り廻して)あゝ、あゝ、あゝ! 行つた行つた、勝《かつ》て! 阪井さん勝て!
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お秋ヂツとして涙ぐんでゐる。遠くの方から非常に多勢の人間の騒いでゐる声が聞えて来る。間、窓の下の空地から男の声が呼ぶ。お秋窓の方へ立つ、空地を見下して、
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お秋 おや、秦さん、どうしたの? 本部から来たんだつて? 阪井さん? 阪井さんは、たつた今行つたのよ。えゝ、本部へ――。
秦の声 ――(他の部分はハツキリ聞き取れない)――なに、俺、阪井さんを迎ひに来たんだ。――今みんなが――へ行く所なんだ
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