…。
尾崎 (砂丘の横から出て来て、ニヤニヤと恵子の傍へ寄つて行きながら)やあ、御心配ですねえ。どうなすつたんですかねえ? どうも……。
3 家で
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数日後の日曜日の正午過ぎ。
ドンヨリと曇つて蒸し暑く風の無い天気である。
美緒が病室の寝台の上に仰臥し、静かな眼で庭の方を見てゐる。寝台の頭の寄つかゝりの上に酸素吸入の器具が取りつけられてゐて、そのガラスの口が彼女の顔の上に開いてゐる。低くシユーシユーと酸素の出る音。大きな発作から数日を経て一応小康を得たと言つた感じで、あたりの道具の配置その他、この前とはなんとなく違つてゐる。
たつた今、医者が戻つて行つたばかりらしく、病室に椅子が一つ出しつぱなしになつて居り、小母さんが、医者が手を洗つた洗面器とシヤボンと手拭の後始末をしてゐる。数日間の心配と睡眠不足のために小母さんも疲れてゐる。珍らしくきまじめな顔をして、話す声も努めて低い。
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小母 (洗面器をかゝへて立上り)……奥さん、どうどす? 障子締めまつか?
美緒 ……(静かにかぶりを振る)
小母 相変らず黙あつたお医者さま
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