タゴタしながら生きてゐるのも、捨てたもんぢや無えと言ふ気がするんだ。……(振返つて)だが……君にや済まなかつた。助かつたよ。ありがたう。
尾崎 なあに、お役に立つて何よりだ。ハツハハ。
五郎 先刻は、暴言を吐いたり怒つたりして済まなかつた。どうも、ひどく疲れてゐるもんだから。たしかに神経衰弱だね。
尾崎 なあに、礼を言はれちや却つて恐縮だよ。言はゞまあ、まあ、これが僕の商売だからな。
五郎 (純粋に感謝してゐたが、相手の言葉でフツと又妙な気がして尾崎の顔を見る)……そんな君――。済まなかつた、せつかくの画を破つちやつたりして……。
尾崎 なあに、いゝよ、いゝよ。ヘツヘヘヘ、どうせ君、こんな画だもの。ヘツヘヘヘ、どうだい、助かつたと君は言つたね? ハツハハ、僕の金だつて君を助ける事が出来るんだね? 僕は君の言ふやうに猿だからな、猿の金だ。今のは猿の金だよ。そいつで君も、今の裏天も助かるんだ。ヘツヘ、俺は猿だ、猿の金だよ。ヘヘヘヘ! (とぼけた様な調子で笑ひつゞける。それが却つて殆んど呪ひ倒すやうに毒々しい感じである)
五郎 ……(相手の気持がわかつて、突然真青になる。しかし今度は何とも怒
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