つて、又戻つて来て下さい。みんな待つてゐます。
美緒 ……(コツクリ。涙を流してゐる)
少女一 先生お大事にね。私達の事心配しないでね。ぢやこれで失礼します。
五郎 どうもありがたう。遠い所をわざわざやつて来てくれたのに、なんにも無くてホントに済まなかつた。みんなによろしく言つてね。ありがたう。
少女二 あのう、これ(と懐中から紙包みを出して縁側に置く)みんなで出し合つたんです。なんか食べる物買つて行つた方がいゝと言ふ人もあつたけど、美緒先生何がいゝかわからんからこのまゝの方がいゝつて……。みんなで八円五十銭しか無かつたけど――。
少年 (あわてゝ)馬鹿だな君枝ちやん! そんな――。
少女二 だつてさ。……そいでね、そいぢや半パだから変だと言つてたら、先生達が三人で五十銭づゝ出して呉れたんで……。十円になつたので十円きや入つてないんです。どうか――。
五郎 困るなあ、君達にそんな事させちや。どうする美緒? いたゞくか? (美緒コツクリ)……ぢや、なにも言はないで頂戴します。ありがたう。みんなにもありがたうと言つてね。
少年 では、これで……。早くよくなつて下さい美緒先生、いゝですか。

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