で補習科を出たのが二人と、現在あすこにゐる子が一人だ。みんなの代表みたいな意味で来たと言ふんだがね。……どうする? 別に会はなくつてもいゝだろ?
美緒 ……(かぶりを振る)
五郎 だつて、又お前、気が立つていかんぞ? 俺がよくさう言つとくから、な? スツカリ良くなれば、いくらでも会へるんだ。
美緒 ……うゝん……会ふの……。
五郎 仕様がねえなあ。……そいぢや、ほんのチヨツトだぜ。いゝかい? いゝな? (美緒コツククリを[#「コツククリを」はママ]する)……ぢや庭にまはすからね。絶対に口を利いちや駄目だよ。いゝな? (美緒コツクリ)約束したよ。ホンの一分間だよ。ぢや……(と庭に下りて裏口の方へ消える)
小母 ……生徒さん達、来やはつた。奥さん、えゝなあ!
美緒 ……(何度もうなづく)
小母 みいんな、元気の良さそうな、可愛いゝお子どすえ。
[#ここから2字下げ]
五郎が三人の子供を連れて裏口の方から庭へ出て来る。上手に立停つて、低い声で、三人に向つて何かしきりと注意してゐる。病人が重態だから、会ふのはホンのチヨツトにして呉れ、話もなるべくしてくれるなと頼んでゐるのである。三人は、子供
前へ
次へ
全193ページ中182ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング