中で始終何か死んでゐるものがあるからです。同じだ。美緒もさうです。美緒も同じだ。えゝい、畜生! ち、畜生!(言ひ放つて片手を振つた拍子にフラフラツとして二三歩ヒヨロける。少し目まひがするらしい)……ウム。
京子 (相手の喋つてゐるのを、びつくりして口を少し開けて見詰め続けてゐたが、五郎が倒れさうなので、思はず寄つて行つて、その腕を掴む)あぶないわ、ホントにどうなすつたんですの?
五郎 なんです?(と却つて変な顔をして京子の顔を見る)
京子 もつと五郎さんもお身体を大切になさらなきや駄目だわ。
五郎 身体?……(不意にまるで小さい子供の様に無邪気にニコニコして相手の肩や胸を見てゐる)……でも、なんでそんな事を言ふんです?
京子 だつて――。
五郎 なんで、そんな事を言ふんです?
京子 だつて――五郎さん、かなり身体をこはしてゐらつしやるわ。
五郎 さうですか。……身体……肉体……。京子さん、あなた、僕を好きですか?
京子 ……(ドキンとして相手を見る)
五郎 え、僕を好きですか? 嫌ひですか?
京子 そんな、そんな事……なんでそんな事おつしやるの?
五郎 好きですかと聞いてゐるんだ!(出
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