久我さんの持つてゐる魅力もそのせゐかもわからないわね。なんか恐ろしく執念深い動物電気みたいなもの。あの方の画だつてさうだわ。どす黒いみたいな情熱ね。
利男 ……いや、そんな事ぢやありませんよ。僕の言ふのは、なんと言つたらいゝか、……久我さんの事を、もしかするとあなたは、かなり興味と言ふか、なんか関心を持つて見てゐられるんぢや無いかと言ふ気がフツとした事を憶えてゐるもんですからね……。
京子 ……私が? へえ、さう。さうかしら?
利男 あの人は、僕の姉の亭主ですがね、今僕が言つてゐるのは、自分の姉の味方をして、なんか心配になつたりして言つてゐるんぢや無いんですよ。……僕、自分の気持から言つてゐるんです。自分でそいつを知りたいからなんですよ。
京子 ……さうね、さう、嫌ひぢや無いわね。でもなんか、あぶない様な気もするわね。それに何だかあの方は古いわ。もつとも、私は古いと言ふ事自体は好きだけど……。
利男 ……実はさつきも其処まで来てあなたの歌を聞いてゐながら、もしかすると、あなたは歌を唄ひながら久我さんの出て来るのを待つてゐるんぢやないかと言ふ気がチラツとしたんですよ。いや、こりや僕のチヨ
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