に言ふのよ。
赤井 (美緒のために心配して、五郎を見て)具合が悪かつたんぢやないか? かうしてゐるの良くないんぢやないか?
五郎 うゝん、いゝんだ、いゝんだ。なんでも無いんだ。利ちやん、お母さんは直ぐに大袈裟に言ふんだよ。
利男 でも、とにかく、あれで姉さんの事を心配してゐる事は本気で心配してゐるんだからなあ。
五郎 そりや、さうだ。そりや、さうだ。たゞね――。
美緒 (イライラしてゐる)利ちやん、あんた、少し浜の方を散歩でもして来たらどう?
利男 うん、さうしようかな。勤めてゐて久しぶりに外に出て来ると、なんかしらん、気が立つてね。ハツハハ、海でも見て来るかな。赤井さんも行きませんか?
美緒 いえ、赤井さん達には色々お話が有るだらうから――。
利男 あのね、姉さん、僕の事で此の前お母さん何か話してゐなかつた? いや、目下、その、候補者が二人有るんだよ。僕あまだ月給四十五円しか取つてゐないし、そんな話は未だ早いと言ふんだけど、お母さんは、そんな事あ無いと言つて肯かないんだ。そいで――。
美緒 (苦笑して)後で聞かせて貰ふわ、後でね。比企さんの京子さんも見えてゐるわ。
利男 え、京子さん
前へ
次へ
全193ページ中115ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング