となんか、偉い奴等が勝手にやつてくれりやいゝ。そんな事なんか、どうだつてかまはん。大事な事は、嘘も偽りも無く生きて来たと言ふ事なんだ。
赤井 しかしね、久我、君が画を描かない事にや僕あ反対だよ。そりやあ君の気持は判る。判るけれど反対だ。……僕はもう自分の仕事の事なんぞ考へてる余裕は無いし、考へる必要も無い。僕の今迄書いてゐた小説なんか、もうどうでもいゝんだ。しかしそいつは、今こんな風にして立つてゐる僕の事だよ。そして、そいつは僕等にまかして置いてくれりやいゝんだよ。いやいや、どうもうまく言へんけど、僕なんぞ、こんな風になつて何か書かうにも書けなくなつてゐるからこそ、それだから尚、君には画を描いて欲しいんだ。そんな気がする。理窟にしては言へんけど、僕が向うへ行つてゐる間に、君が画を描いてゐる事を想像して居れると、なんか心丈夫な様な気がするんだ。もつとも、いよいよ向うへ行つてガンガンやりはじめたら、君に対して今度は嫉妬を感じるかも知れんけどね。でも今の所、是非描いて欲しいと思ふ。……第一、君は少し自分の考へを頭の中だけで追い詰め過ぎてると僕は思うよ。そいつは、いつも君の悪い癖だ。君は此の瞬
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