、だから、それでいいじゃないか。それよりも、さっき、此方でワイワイ言ってたなあ誰なの? どうしたの?
せい ……それは、あの、へんな人が犬小屋に――
欣二 え? 犬小屋――?
[#ここから2字下げ]
(そこへ、顔の色を変えた双葉が、上手扉から小走りに入って来て、急いで炊事場へ行き、そこの棚の奥の鼠入らずのようになった個所をカタカタ言わせて開ける。室内の三人びっくりしてそれを見ている)
[#ここで字下げ終わり]
双葉 ……(かなり大きなアルミのボールのカラのやつを引き出して、ああやっぱりと言った、一度ガックリと落胆した顔)ああ!
欣二 ……どうしたんだい?
双葉 ……うん。……(しばらくボンヤリしていたが、やがて耐えきれなくなって声をあげて泣き出す)
せい まあ、どうしたの、フーちゃん? どうして、そんな――? どうしたんですの? (双葉に寄って、その肩に手をかけ顔をのぞき込む)
柴田 (奥の出入口から入って来て、電燈がついているのでニコニコして)やあ、ついたな。――(しかし直ぐに、双葉の泣いているのに気附いて、びっくりして)……全体――?
双葉 これ! (と、せい子に、からのボールを示
前へ
次へ
全142ページ中87ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング