見ていたらしい。……間……無表情な欣二の顔。せい子が耐えきれなくなって顔をそむけて炊事場の方へ行く。欣二歩き出して食卓の方へ来る。その欣二を、憎悪のこもった眼を光らせて見ている誠。欣二がユックリ椅子にかける)
誠 ……(低い声で)どうしたんだ?
欣二 ……? (誠の顔を見てニヤリと笑う)
誠 どうしたんだ?
欣二 うん?
誠 ……だまって入って来たりして。
欣二 此処は、兄さんだけの室じゃないだろう?
誠 いや、だから――電燈をなおしていると言うから――
欣二 だから、ついたよ。(あごで天井を指す)テープを僕ぁ取りに来たんだ。そしたら、お父さんが、なおしちゃったらしいや。テープはいらんだろう。フフ!
誠 何を笑う?
欣二 だって、お父さんは電気の事なんか、なんにも知らん。それが、僕がいくらいじくってもなおらんやつを、一人でお父さんがデタラメにいじくっているうちになおっちゃった。フフフ!
誠 欣二、俺ぁ、まじめな気持でしている事だ。それをお前が――許さんぞ僕ぁ!
欣二 兄さんのしている事が、なんでもかんでも、まじめだって事ぁ、知ってるよ。兄さん自身がそう言うんだからそれにまちがいはないさ
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