いる。……双葉、思い切って、急ぎ足に上手扉から出て行く。それに続いて圭子も出て行く。せい子も一緒に行きかけるが、急に三平と誠とが喧嘩でもしている姿が頭に来て、立ちすくむ。薄暗がりの中で、その顔と着くずれた着物から洩れている襟元が白く浮きあがっている。……ブルブル顫える片手を頸のところへ持って行きながら、いくらかおだやかになった戸外の声に、耳を澄している。……ソロソロと上手扉の方へ)
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(そこへ、背後を振り返りながら、誠が入って来る)
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せい あ!
誠 ……(立停ってすかすようにして見て、せい子を認め、チョットの間、見守っていてから、ユックリと自分の机の方へ行き、手に持っていた校正刷を机の上に置く)
せい ――どうなすったんですの?
誠 え?
せい 叔父さんと、なにか――?
誠 ……へんな男が居たんですよ。
せい (相手の言葉の意味がのみこめないで)え? 男――?
誠 こわれかかった犬小屋があるでしょう、畑の隅に。あの中にもぐり込んで寝ていた。叔父さんが見つけて引っぱり出したけど、何を聞いても黙ってシャックリばかりしている。
せい へえ。犬小
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