ろぎをしたので、せい子がはじめて気附いて)あら……(黙って頭をさげる圭子)……いらっしゃいまし。
双葉 ……圭子さん――
せい ……失礼いたしました、気が附かないで――(少し笑う)まあ、なんて暗いんでしようねえ……あ、そうそう、電燈が悪くなっていたっけ。
双葉 お父さんと、ちい兄さんが直しに行ってる。
せい 欣二さん、帰って来たのね?……そいで、誠さんやなんかは――?
双葉 裏の畑。
せい そう。……さてと、お夕飯の仕度――(立って炊事場の方へ)
双葉 私、おつゆを拵えたの。ミソが無いから塩だけなんだけど。
せい そう、そりゃ、ありがたいわ。パンが有るから、そいで結構ですとも。ええと――
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(その時、上手扉の奥の戸外のかなり難れた所で、三平が、大きくどなり立てる声、「なんだ、君ぁ?」「どうして、こんな所で……」「君ぁ、ぜんたい、なんだ!」など言うのが聞きとれるだけで、まだいろいろに言っている言葉はハッキリしない)
[#ここで字下げ終わり]
双葉 ……どうしたんだろ?
せい 叔父さんと――誠さんが、なにか――?(双葉と眼を見合わしている。戸外では、まだ三平がどなって
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