かし、私は、これでいいと思うの。……みんな、みんな、ひどい事になってしまったけど、しかし、私たちが眼をさまして、自分の正体をハッキリ見るためには、こんな風になる必要が有ったんだわ。……どんなに苦しくても、しかし、私どもが憎んでもいない人たちと戦争をして殺し合っているよりも、まだ、ましだわ。……以前より良い時代が始まったという事を私たちが認めるならば、そこから生れて来るいろんな苦しい事もありのままに認めて、勇気を出して、生き抜いて行かなくちゃ。……そう思うの私。……信姉さんの気持は、私には、よくわからないの。……そりゃ、戦争中、挺身隊やなんかで働いていた気持が真剣だったら、信姉さんと同じようにするのがホントだったかもわからない。……しかし、死んだからって、問題は片づきゃしないと思うの。自分が死んだからって、日本や世界が消えて無くなるわけじゃないんですもの。卑怯だわ。えて勝手だわ。……そう思うと、私、信姉さん憎らしくなるの。
圭子 ……(まだ壁に額をつけている)
双葉 ……こっちへいらっしゃいよ圭子さん。(圭子の方へ行き)いや! そんな風にしているの。(後ろから圭子を抱く)……。
圭子 …
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