ネい)まあ、おかけなさい。
清水 はあ。(椅子にかける)
柴田 学校へも、だいぶ出かけないでいるんで、君達にゃ悪いと思っているが――
せい (柴田の胴に手をかけて助けおこしながら)ごらんなさいな、こいだけ、からだが、なにしていらっしゃるのに。
柴田 チョット疲れただけだ。(ヨロヨロしながら食卓のそばの椅子にかける)はは、なあに。……すまんが、水を一杯くれんか。
せい いっそ、でも、井戸へ行ってお洗いになったら?
柴田 いや、飲むんだ。
せい それなら、どうせ、すぐお茶を入れますから――
柴田 お茶はお茶で貰うとして、その前に――
せい はいはい。……(炊事場になっている所へ行き、バケツをヒシャクでかきまわして見て)おや、おや。……(からのバケツをさげて、上手の扉を開けて出て行く)
柴田 ……よく来たね。
清水 (柴田の様子を見守っていたのが)どっか、苦しいんじゃありませんか?
柴田 む? いやあ、どうしてだね?
清水 いえ、なんだか、その――
柴田 いや、馴れない仕事をしたんで、ホンのチョット息切れがするだけだ。はは。
清水 (不意にムキになって)先生は、学校でも、そんなふうにおっしゃ
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