兄さん! なにをするの! なにをするの!
欣二 ヘヘ。(一同が極度に昂奮している中に、この男だけが表面ますますユックリとした語調。薄ら笑いをして)いいじゃねえか。好きなら好きで、いいじャねえか。気どるない。オツリキに気どるねえ!
誠 (蒼白になり、石のように立って欣二を睨んでいたのが、相手からかき立てられた憎悪を自分で押さえつけようとする努力のために、低いが、しかし時々ふるえを帯びる語調で)欣二。……食費の事は、僕が、悪かった。……許してくれ。その中に、働いて、返えす。そいで、いやあ――しかし、それとこれとは別だ。せい子さんの事は……僕ぁ、こないだから、チャンとなにして……しんけんだ。……厨川の方は、僕の手で片づけて……僕ぁせい子さんと結婚する気でいる。だから――
欣二 おめでとう。ハハ、いいじゃないか。(三平に)叔父さんどうです、御感想は?
三平 ――まあいいて! まあ、いいから、みんな、さあ、そう昂奮せずと――
誠 せい子さんの事で、ふ、ふざけた事を、言うと、僕ぁ、き、きかん!
欣二 きかなきゃ、どうするの? だっていいじゃないか。だからさ、しんけんに好きなんだから、よろしくやった
前へ
次へ
全142ページ中137ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング