ヒヒヒ! 兄さんは、ちっとばかし思いあがりようが過ぎやしないか? そんなら言ってやろう。兄さんは、な――
柴田 (長男と次男のやりとりの間も、昂奮のためにガクガクと喘いでいたのが、欣二の言葉をたち切って)まあ、まあ欣二、いいから、お前は、いっとき、黙っていてくれ!(誠に)さっきお前は民族主義者はファッショの御用学者だ、という風に言ったが、もし私がホントにファッショの御用学者だとすれば、私も困る。そのような自分を、私は許さぬ。いや、だから、そこん所をもう少し聞かせてくれ! いいや、それを聞かなくては、私は黙らぬ。そうではないか! もしそうならば、私はお前達の敵だ。また、もし、そうならばお前達は私の敵だ。言って見てくれ! もう少し、そこん所を――
せい (ハラハラして中腰になり)もう、ほんとに、もういいじゃありませんか。先生も――
圭子 (それと同時に、その前からハラハラして一同を見まわしていたのが、そのチヨット前から欣二がニヤリニヤリとしながら誠の方へ近寄って行きつつあるのに視線を吸いとられていたが、欣二の薄笑いを浮べた表情に、なにか唯ならぬものを感じ取って、不意に真青になってスッと立つ
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