愛いからだ。……いいかい、闘いは、終ったのではなくて、始まったのだよ! 今度の戦いは、再び戦わないための闘いだ。まだ、この国の方々に残っているファッショを完全に叩きつぶしてしもう闘いだ。そいつは若い者の仕事だ。つまり、お前たち、身を以てファッショの毒を受けて苦しんだ若い者がやらないで誰がやるんだ? お前がこれまでに受けた手きずを痛く感ずれば感ずる程、そんな無意味な痛苦を今後ひき起さないように、まだ残っている軍閥や財閥の根と、お前は闘うのが、一番自然なんだ。当然なんだ。闘いは、これからなんだよ。その、しょっぱなから、お前は自分の武器を捨てようとしている。ばかりじゃない、お前自身、ファッショの手先になろうとしている。あらゆる場合にゴロツキはファッショの手先だよ。それを、それを、僕ぁ黙って見ては居れない。おせっかいと言われたって、なんと言われたって、仲間がお前、自分の愛している仲間がそんなふうになって行くのを黙って眺めちゃ居れん。僕ぁ、お前がかわいそうで――
欣二 (相手をたち切って)憐れむのかい[#「憐れむのかい」は底本では「隣れむのかい」]? ゲエ! よしてくれ、おい! ヘドが出らあ! 
前へ 次へ
全142ページ中130ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング