らんのだ。つまり、これが日本の運命だったのだ。運命なぞと言うとお前は又笑うだろうが、運命と言うのは、つまり必然性と言ってもよい。過去から現在に至る無数の事がらの積み重なりの、のっぴきのならぬ結果のことだ。それを一つ一つときほぐして、その中に本質を見つけ出さねば、ホントの日本の再建は起り得ない。私は及ばずながら、歴史を学んでいる人間の一人として、これからそれをやろうと思っている。やって見せる。それを私は――(喘いでヒッと言うような声を出して絶句してしまう。疲れ切っているところに、昂奮して長々と喋ったので、力が尽き果てたのである)
双葉 もう、よして下さい、父さん! もう、やめて! やめてちょうだい!
柴田 ……(しめ殺されそこなった鶏が、もう一度息を吹き返そうともがいているように、首を伸ばしたり、ちぢめたり、両手で食卓の上を掻きむしったりしながら、切れ切れに)……いや、私がな、この、闇買いをしないでやって行きたいと思っている事だって――そうだ、小さな事ではあるが、言ってみれば、実は、それに関係が有る。――いまどき、闇買いをしないではやって行けない事は、いかな私だって知っておる。また、自分
前へ
次へ
全142ページ中116ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング