ていくのですか? さらに、現在それらの抵抗論者たちは、アメリカがわれわれにくれている軍事力と生活必需物資の、軍事力はイヤだからことわるが物だけはもらうという形で抵抗論をやっているが、これが軍事力がイヤなら物もやらないぞという形になるか、または軍事力をわれわれに与えることが、軍事力をもって強制されるという段階になったら、どうする気なのでしょうか? 私にはわからない。たぶんそれはご当人たちにはわかっていることで、ただ語らないものだから私にわからないまでだろうと思います。しかし、はたしてそうなのか? はたしてそうだと思ってしまうにしては、あまりに共通してわからなさすぎます。
この人たちは、これほど一致して自分たちの考えていることを、これほど人からかくすことができるのだろうか? ふしぎでなりません。だからもしかすると、この人たちはそういうところまでは考えていないのではないか、だからこの人たちの抵抗論は今後起りうる悪い事態を予想して、それにむかって警戒照明弾をぶっぱなしておくといった式のものか、または観念的な――観念的のみでありうる境での、犬の遠吠え式のものではなかろうかと思ったりするわけです
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