であろうか? いろいろのばあいと、いろいろの姿が想像できます。複雑微妙であって、いちがいには言えない。
 しかしたぶん、あとの種類の反対者たちの多くは現在しているような形や意味では、戦争や再軍備に反対してはいなかったのではないだろうかとの想像が、かなりの確率で成りたちうるような気がします。そして、あなたは、どんなふうになさっていたでしょうか? たぶんは現在のようには戦争や再軍備に反対なさってはいなかったのではないか? もしかすると、戦争と再軍備に積極的に賛成なさっていたのではないか? 失礼な想像でありますが、これはただイヤガラセをしようとの悪意にもとずいたものではなく、ハッキリした理由のあることです。その理由とは何か? じつはそのことが、第二の理由の説明になります。
 というのは、マルクシズム=共産主義の実践要項のなかには、その理論体系から押しだしてくる必然として、かならず武力が取りあげられる。共産主義の革命理論がここにあって、かしこに武力があり、革命の必要に応じて、かしこの武力がここに持ってこられるのではない。理論そのもののなかに、また理論が必然的に生みだしたものとして武力がある。武
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