ょうか? 僕は、現実に行われる会話や動作を、作品でそのまますき写しをして再現することは、必らずしも要らないと思っているんですけど――。
三好 僕の言っているのは、その事じゃ無い。……なるほど、現実をすき写しをする必要は無い。しかしどんなにロマンティックな、又は表現的な書き現わし方をしようと、そいつの根本は正直でなきゃならん。リアリティがどうのこうのと、理窟を僕は言おうとしているんじゃ無い。ごく普通の意味で正直。それだ。そいつを、君は、ごまかそうとしている。飾り立てようとしている。
佐田 しかし、僕の生活なぞ飾り立てでもしなければ、あまりにみじめですからねえ。
三好 駄目だよ。君の生活の、どこが結局みじめだよ? むしろ、みじめなのは、飾り立てでもしなければ、あまりにみじめだと思っている君の精神そのものだ。創作をする事が、なにかしら、すばらしい聖なる仕事のように考えて、それにかじり附いて、そんな愚劣なものを書いて自己満足を感じている君の量見が、一番みじめだよ。悪い事は言わないから、そんな物を書きちらす事なぞよして、何でもいい、どんな小さな仕事でもいいから、もっと有用な仕事を捜すんだな。
佐
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