いたが、やがてスタスタ、元の室の机の所に戻って来て坐る)
[#ここで字下げ終わり]
佐田 ……なんですかね?
登美 さあ。……変なお客ばっかり、しょっちゅう来る家ですから――。(レース編物を取り上げる)
佐田 ……さしずめ[#「さしずめ」は底本では「さしづめ」]、僕なんぞは、変なのの一人ですかね。ハハ。
登美 ……(顔をあげて佐田を見るが、話に乗って行こうとせず、又うつむいて編物をはじめる)
佐田 何を編むんですか?
登美 ええ……。
[#ここから2字下げ]
(話のつぎほが無い。上手奥の離れた所から、お袖の掻《か》き鳴す三味線の音がして来る。これは最後まで断続する。……佐田、眼を据えて登美の姿を見ている。……間。……登美は佐田から見詰められている事を意識して不愉快らしいが、動かぬ。すまして、編物の手を動かしている)
[#ここで字下げ終わり]
佐田 むむ……。(低く唸るような声)
登美 ……どうなすって?
佐田 いや……。登美子さん――。
登美 あなた、三好さんをいじめるの、いいかげんになすったら、どう?
佐田 いじめやしません。なんしろ僕あ苦しいもんだから――。
登美 この前だって、三
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