。天にましまし、なんにも御存じない――と。(何か讃美歌の節になる。その間も、三好と佐田はぼんやりして相対している)
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(そこへ下手庭口からツカツカ入って来る和服に袴で黒い手カバンを下げた男、本田一平。四十二三歳で服装も態度もキチンとして上品である。木戸口で立停り、屋内の様子を見廻している)
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登美 どなた?
本田 堀井さんのお宅でしたっけね?
登美 はあ……(縁側に手を突いて、丁寧に)どちら様でございましょう?
本田 いやあ……(ツカツカ、縁側の方へ)ええと、失礼ですが――。
登美 三好さん、お客様です。
三好 ……(先程から、救われたように、此方を振向いていたが、ノッソリ立って来る)やあ……。どなたですか?
本田 こんな所から失礼でございますが、私、本田と申しまして、堀井先生には二三度お目にかかった事がありますが、今日は御在宅――?
三好 堀井博士なら此処には居られんのですが……どんな御用事です?
本田 そうですか。いえ、警戒なさらなくても結構です。博士に用が有って伺ったわけでは無いので。実は、こちらに、たしか、昨日か、又は二三日前か、韮
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