やがった! いたちっ屁だ。参った。……彼奴の言う通りかも知れんのだ。畜生! (フラフラしてまだ歩けない)
登美 (ハンカチを出して)はい、これで拭いて! いいわよ、もう! 何てえザマなの?
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(佐田がボンヤリ二人を見ている)
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3 夕
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梅雨晴れの午後の陽がカッと照りつけ、底一面、燃えるような緑の輝き。半透明の鮮紅の実をこぼれる様に附けたユスラ梅。縁側に座布団を持ち出して坐った[#「坐った」は底本では「坐つた」]三好と、少し離れて、これもモッソリと坐った佐田。登美は机の向うに坐ってレースを編んでいる。三好と佐田とは、ズッと前から、ボツリボツリと、とぎれ勝に話していたらしい様子。間。静かである。
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佐田 ……読んで下さったでしょうか、僕の戯曲?
三好 ああ読んだ。
佐田 どうでしょう?
三好 うむ。……
佐田 言って下さい。……かまいませんから。
三好 うん。……君の名前は伝次郎と言うのか?
佐田 ええ。
三好 原稿に書いてあったので、はじめて知ったよ。本名なの?
佐田 本名です
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