けど、変ですか?
三好 変なことは無いさ。佐田伝次郎か。すげえ名だ。
佐田 すげえんですか?
三好 ……うーむ。(何か他の事を考へながら唸る。登美がクスクス笑い出す。それを振返って)なに?
登美 だって……。
三好 そうだ、韮山さん、天どんを食ったかな?
登美 持ってってあげといたから、お食べんなったでしょう?
佐田 駄目でしょうか?
三好 え?
佐田 僕の作品ですよ。
三好 チョッと待ってくれ。
佐田 ……そうと決れば、いよいよ僕も……(眼を据えている)なんとか考えを決めなければならないんですから。(上手奥でカタリと音がする)
登美 (それを聞きつけて)チョイト……(二人を手で制する)
三好 (なんだと言う顔)
登美 応接間から出て来たわ。……(短い間。……やがて上手の端の襖を開けてお袖が顔を出す)……なあんだ、お袖さん?
お袖 ただ今。
三好 お帰り。先生は?
お袖 直ぐそこでお別れして、先生はあちらへ。あのう、なには、無事に帰ったんですか?
三好 いやあ、会えるまで此処にがんばるんだって、応接の方にズッと居るんですよ。無事なだんじゃ無い、転げ落ちてね。
お袖 転げ落ちた? どこか
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