上 ……じゃ失敬。いずれ又――。(庭口から歩み去る。轟はチョットマゴマゴしていたが、やがてコソコソと立ち去る)
三好 待て! それで行ってしまわれては、俺あ――。(ヨタヨタと庭口の方へ追う)おい、浦上君! 轟! 君もチョッと待ってくれ! おい轟! 君まで行ってしまうのか! 浦上君! 浦上! (あまり昂奮しているので走って行けず、ハアハア喘ぎながら庭木戸の傍の木につかまってしまう)
登美 三好さん――(立って来る)もう、いいわ。
三好 …………(なさけ無い姿で木につかまって、ハアハア喘いでいたが、やがて、しゃがんでしまう)
登美 どうなすったの? 三好さん?
三好 うん。…………(昂奮のあまり、やがて、ゲーゲーと嘔吐する)
登美 あら! (びっくりして、下駄を突っかけて走り寄って来て、三好の背に手をかける)どうしたの? いいじゃありませんか、あんな人達の言う事なんか! そんなムキにならないで! チェッ! 醜態だわ!
三好 ……(よごれた口のはたを横なぐりに拭きながら)うん。……うん。……やられた!……俺にゃ一言も無い。それを言われちゃ、一言もない。いたちっ屁を、ひっかけたきりで行ってしま
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