モドロさに気がつけばつくほど、句調と態度は鋭どく熱をおびてくる。額の汗を手の平で払い落して)――つまり、すなわち、かかる醜悪なる、恥を知らざる徒輩が最も多いのでありまして、それは、かの戦争中、諸文化の中で最も先頭に立って戦争に便乗し、協力したものが、映画であったという一事をもってしても、これは明らかであります!(カメラマンは、三芳に向っていろいろの角度からカメラを向けているが、だんだんカメラを引いて行きヴエランダの所まで来て、三芳と大野と記者と久子をも入れてスナップすべくファインダアをのぞいている)……戦争責任の中で最も根本的かつ重大なのは、良心の責任である。理念の責任である。われわれは、遠い昔を思い出してみる必要はない。一昨年――いや昨年の今ごろの映画人や映画界が何をしていたかをチョットでも想起するならば、思い半ばに過ぎるものがあるのである!
ツヤ (三芳が記者の筆を待ってしばらく言葉を切っている静かな間に、アッサリと一人ごとのように言う)昨年の今ごろ先生は大野先生のとこで、歎願書を朗読なすってた。
三芳 う?(熱くなっているので、ツヤ子の言葉が理解できない)
大野 (これはビクッと
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