ヤ君みたいなベッピンさんのすることじゃないね。
ツヤ ヘドが出たくなるのよ。
三芳 ヘドが? ……なにかね、胃が悪いの?
ツヤ とにかく、北海道に帰るわ。
三芳 好きなようにするさ。そりゃ。しかし、なんだぜ、どこへ行ったって、今のように困難な生活で、君みたいにそんな、つまり、いっしょに生活している人間との共同生活においてだなあ、この連帯性だね。つまり、ほかの者と仲良く助け合ってだな、暮していこうとする気がなくては、困るんじゃないかね?
ツヤ ええ。
三芳 社会的な教養がまるでないんだから、むつかしいことがわからないのは無理もないけど――とにかく、その病的なところを、なおさんといかんなあ。
ツヤ 私、病的でしょうか?
大野 ハッハハ、ヒヒ!
三芳 病的だよ。第一、君、たとえば、その米の袋にしたってだな、そんなふうに寝てもさめても、ぶらさげているなんて君、少しキチガイじみすぎるよ。
ツヤ だって、これは私のぶんですもの。
三芳 そりゃわかってるさ。君のぶんを、誰も無理やりに取って食おうとはしないんだから、なにもそんな――
ツヤ だって、誰も取って食わないのが、台所に置いとくと、すぐに半分ぐ
前へ 次へ
全65ページ中52ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング