あ。
三芳 だって大野さん、これが二千や三千のフイルムじゃないんですよ。三万とまとまりゃ、どこへ廻すにしても、チョット目立ちますよ。ね、フィート七円なら、決しておかしな値じゃないと思うんだ。それで手を打ちましょう。あなただって、先日から二度も足をはこんでいるんだから、なんじゃないですか、ここいらでモノにしなくちゃ――
大野 私あホンの使い走りをしているまでだよ。誤解してくれちゃ困る。まあ、じゃ、この話はこれぐらいにして、なんだ、ハハ、私も実は、こんな話を持ちこまれて迷惑しとるんだ。――ハハハ。……(キョロキョロそのへんを見て、ツヤ子に目をつける)……やあツヤ君……どうしたねその後? まだ映画には出ないのかね?
ツヤ ……もう私、映画はやめたの。
大野 どうして? 方々でニューフェイス、ニューフェイスで騒いでいるようじゃないかね? チャンスだと思うがなあ、君なんぞ――?
三芳 この人は、特攻隊に出ていた恋人が、それっきり戻ってこないので、目下、悲観中でしてね。
大野 へえ、そうかねえ……そいで、その大将、突込んだのかねえ?
ツヤ フフ。……(相手にならぬ)
三芳 大野さん、じゃ八円まで
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