すぐに使えるフィルムを持っているのと持っていないのとじゃ、話がだいぶちがってくるからねえ。ホントから言やあ、大きな会社へ持って行くか、または、少しメンドウだけど、材料店に切り売りすりゃ、三十円以下ということはないんだ。なにしろ終戦まぎわの製品でパリパリしたやつだそうでね。それを十五円で運ばせようというのは、これでかげながら、君たちに協力したいという気持があればこそなんだ。
三芳 ヘヘ、いや、けっこうですよ、だから協力してくださいよ、七円にして。いいじゃないですかどうせ、そんな品物も、つまり、言ってみりゃ、そのドサクサまぎれの――
大野 そんな君、そんな、あやしい品物じゃないんだ。なんなら現場へ案内したっていい。帳簿にもチャンとのっている品物なんだ。ただ持主が処分を急いでいるしね、チョットわけがあって業者の方へは廻したくないというので困っているんでね、見るに見かねて私が口をきいてあげているだけなんだ。
三芳 でしょう? だから、それでいいじゃないですか。私の方としても、いかがわしい物は引受けられませんからねえ。
大野 じゃ、ま、伝えといてみよう。しかしまず、それじゃ話にはなるまいと思うな
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