出そうじゃありませんか。それで、いけなければ、あきらめた、と。
大野 (それを聞かないフリをして、ツヤ子に)そいで、どこの基地にいたんだね、その大将?
ツヤ ――フン……
大野 ハハハ、ヒヒ! (ヒョイと三芳を見て)まあ、いいや、もうめんどくさくなった、十円といこう。フィート十円出してもらう。いやいや、先方がそれでウンと言うかどうか、話してみなきゃ、わからんが、とにかく、めんどうくさくなりよった。
三芳 ……しかたがない。ですが、ホントに品はたしかでしょうね? ちかごろエマルジョンにひどいのがあるし、時によると、まるっきりカブってるのが有るからなあ。
大野 じょだん! なんだったら、現像の人をよこしてテストしてくれてよろしい。
三芳 そう、じゃ、あるいはそうお願いしましょうか。しかし、なんだなあ、大野さんも、いつのまにか良い商売人になったなあ。
大野 じょ、じょうだん言っちゃ、いけない! だから、私はただ見るに見かねて話の中つぎをしてあげてるだけで、なんども言う通り――
三芳 まあ、まあ一つ。(とウィスキイをつぐ)しかし、なんじゃありませんか、以前ほど羽ぶりはきかないかもしれないけど、
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