ゃ、いやザンスわ! ほんとに! (津村出て行く)
大野 (それまで一同から全く無視されて、ボンヤリこの場のなりゆきを見ていたのが急に)じゃ、私がホンの少しばかりだけど持っていますから……(と、室の隅に置いてあった大型のボストン・バックの所へチョコチョコ走りで行き、バックの口を開いて、三升ばかりの米の袋を取り出してくる)あの、これを、どうか――ホンのわずかですがね。(久子に手渡す)いや、そんなことと知っていたら、もう少したくさん持ってくるんだった。
久子 あらまあ大野さん、いらっしゃい。いつも、すみませんわね。(と、今までまるで無視していた男に、だしぬけに水のたれるような愛嬌で、あいさつと礼をいっぺんにやってのける)ホホホ、なんですか、いつもこんなにしていただいて――そして、このお代はいかほど?
大野 いいですよ、いいですよ。なあに、お安い御用ですよ。ハハ、ちょっとツテがあってね(言いながら、それまで津村のかけていたソファにかける)
三芳 すまんなあ……(久子に)だけど、お前、なんだぜ、津村の前であんまりヘンなこと言うのはよせよ。
久子 あらあ、何がヘン? だって、しかたがないじゃありま
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