ラウスの赤さにまけないくらいの頬ベニとクチベニ。腕にトンコを抱いている。そのケンランたる印象に、ギョッとした大野が、思わず立ちあがって、口をあけて見守っている)なんですの?
三芳 なんですじゃないよ! 御飯々々! 津村君のさ! あいだけ言っといたじゃないか。ボンヤリしていちゃ困るよ!
久子 できてるわよ、もう! でもさ、すこし――
三芳 できてるならできてると、なぜ早く言わないんだ、バカヤロウ!
久子 なにがバカヤロ! なの!
三芳 バカだからバカだと言うんだ。津村君が急いでいること、お前知らんわけじゃあるまい。
久子 だから、それは、もうおうかたできてるんじゃないのよ。私の言っているのは、あなたが、いまだにそんなふうに私にたいして圧制的な物の言い方をなさるのは、やめてくださいと言ってるんだわ。もうファッショの時代じゃないんですからね! それにあなただって、とにかく――
三芳 そ、そんなことを言ってるんじゃねえんだ。くそ!
久子 ホホホ!(不意にエンゼンと笑顔を作って津村に)ねえ津村さん、そうじゃありませんか!
津村 いや、まあまあ、いいですよ。ハハ、いつも、どうも御厄介をかけてすみま
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