と頭をさげる。その額が床板にぶっつかって、ゴトンゴトンと音がする)
ツヤ ……(これだけが冷静に、室の一隅の台の上にのっているラジオの方へ行き、スイッチを入れる)
ラジオの声 ……(せっぱくした語調。ただし、情報の途中からだし、サイレンの音にじゃまされて完全には聞きとれない)――大型機に誘導されたる大編隊――大編隊――大編隊――西南方より帝都上空に侵入しつつあり――西南方より――帝都上空に侵入しつつあり――くりかえします――大型機に誘導されたる大編隊――西南方より帝都上空に侵入――ガーガーガァ、ピッピ、ピッピ、ガァガァ――ワァワァワァ、ブー、帝都――(そこでプツンと切れてしまう。かなり離れた所で発射された高射砲のひびき)
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(と同時に、それまで立ちすくんでいた大野が兎が飛ぶようにフランス窓の所へ出て来て、その前の防空壕に飛び込む。それを見て三芳がヒョロヒョロしながら立ちあがり、途中で膝の力がぬけて、前につんのめって這ったりしながら、壕の方へ。それまで椅子の中で眼をむいていた薄田が、この時ユックリ立ちあがって、故意に落着いた足どりで二三歩あゆむが、にわかに尻に火が附
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