んしきれなくなって[#「なって」は底本では「なつて」])黙りたまい! 何を言うか! それは、従来多少の手ちがいのために、僅かの敵機が潜入して来た事は有ったが、それをもって軍全体に対する信望をうんぬんする事は許さん! そういう事を言う奴は国賊である! そんな事を言いふらして、軍民離間を策する奴は――いや、とにかく、今後、わが空軍は東京周辺二十キロ以内に敵の飛行機の一機半機といえども、ぜったいに入れない!(にぎりこぶしで卓の上を猛烈に叩きつける。卓上のコップやビールびんなどが飛びあがって床の上に落ちる。大野は、その前から、薄田をなだめようと椅子を立っていたが、この勢いに手がつけられず、ポカンとして見ている。三芳は、やっと言い過ぎた事に気がついて、床の上に坐って、ふるえあがっている)
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(間。……その静けさの中に、だしぬけに、遠くから空襲警報のサイレンが鳴りひびいてくる)
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大野 お! (立ちすくむ)
薄田 ウム?……
三芳 ……(チョットきょとんとして大野と薄田を見あげるが、しかし、なにがはじまったのか理解し得ず、さらにまた薄田に向って二度三度
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