泣きに泣いて、椅子に坐っておられなくなって、床の上にすべり落ち、頭をさげ両手をつく。――その姿を、ツヤ子が片隅から冷然と眺めている)
[#ここで字下げ終わり]
薄田 ハハ、まあいい、君たちは、落ちついて活動でも作っておる。それが一番無事だ。
三芳 (泣き狂いのような調子で)耐えられません! もう、われわれは、こんな、アンカンとして眺めてはいられません。そうではありませんか、アッツ島以来、南方諸島は失陥につぐ失陥、海軍は全滅、琉球もあぶなくなっている! このまま押し進んで行けば、どうなるんです? え? 私どもは、今や銃後にアンカンとして一日の安きを盗んでいられません! わかって下さい! しかも、半年前まで、軍部で言っていた本土空襲に対する、わが空の守りのかんぺきさなど、今となっては、まるきり空手形ではありませんか! 本土はおろか、この東京――この帝国の首都――向うの飛行機など唯一機といえども絶対に入れないと言われていた東京が、もう既に二度、しかも悠々とやられています! 今にして、われわれがわが方の戦力の信ずべからざる事に目ざめて――
薄田 (三芳の言葉の中途から怒り出したのが、この時がま
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