々先生の方へルイを及ぼすような事は絶対にいたしませんから、どうかひとつ。なにしろ、われわれの方は技術者ばかりで、ただこの文化的に立派な、つまり戦力増強に真に役立つような作品を作りさえすればよかろうと言うんで、経営方面はカラダメでして、がんらい、映画評論やなんかでやってきた私などが、こうして企かくや製作のことで、駆けまわっているありさまなんですからねえ。他は推して知るべしで、たとえば、借りているスタジオの家賃がたまって追い出されそうになったりしてまして――なんとか早くネガを手に入れて金の運転をつけないと、私ども、どうして食って行ってよいか、路頭に迷うことになって――
大野 そりゃ、しかし、そこまでの尻をわしらの方へ持ってこられても、どうしようもないねえ。
薄田 まあ、ええじゃないか大野君、なんとか、はからってやるさ。君たちがつかまえて転向さしてやったんだからなあ、あとのめんどうも見てやらんと、またヨリがもどる。口をきいてやったらいい。
大野 そりゃ、そうですがねえ、あんまり度々で――。それに、とにかく、どんなに小さくとも、営利事業ですからねえ。
薄田 骨折賃はもらうさ。それは当然じゃから
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