定のなん倍かになっているんですから――
大野 しかしそれは或る程度まではしかたがないのじゃないかねえ。つまり実際問題としてはだ、君たちも、つまり、けっきょくは営利事業なんだから。
三芳 もちろんそれは心得ています。しかし、なん倍出しても、とにかく手に入ればいいんですが、それが、なかなかうまくいかないんで――そいで、いつものことではなはだ、なんですけど、先生にですね、報道部のどなたかにお口添えを願って、その方から商工省へ手をまわしたい――と、まあ、こんなふうに考えまして――ひとつ、お願いします。
大野 さあ、どうかなあ……もう、手もだいぶ使ったからねえ――(気のないようすでビールを飲む。その間、ツヤ子は室の隅に立って、時々寄って来ては事務的にビールをつぐ)
三芳 (二度も三度も頭をさげる)ひとつ――どうか――お願いします。でないと、私の方は立ち行きませんし、せっかくの増産映画なので、つまり、国家的な宝の持ちぐされ――
大野 君の方も、だけど、すこしこの、虫が良すぎゃせんか。もうこれで、何度になるかね? 私もあまりなにしていると、変な目で見られる恐れが有るからな。
三芳 それは、しかし、万
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