ゃ壁に頭あぶっつけて、ハナあたらして死んでしまうんだ。それまでの踊りでしょう。ヘヘ、私なんざあ――
男3 なによネゴトいっていやがる、モヒ中め!
男4 あい、モヒ中ですよ。いいじゃないですか、ヘヘヘ、――
男3 よかあねえよ。お前みてえな、チッ、空襲のドサクサまぎれに、女をつかまえて、おかしなマネをするような奴は、人間じゃねえよ。
男4 そうですよ、ヘヘ、そうですよ。じゃ、だれが人間ですか? ドンドン殺しているんですよ、人間が人間を。ヘヘ、私あ、そんな手荒らな事あしません。ただ、女の子にチョッとさわるだけだもん。
男3 さわるっていやあがる。ペッ、ペッ!
男4 天にまします、われらの神さま……ヘ!(アーアーアーと何かうなり出す。その節が、それまでズーッと断続してきこえて来ている奥からのサンビ歌のメロディに合流して斉唱する形になる)
男1 よせよ、おい!
男2 くそッ!
別の声 (ここからは見えない奥から)おいおい、第三号、やかましいぞッ! 静かにしないと、夕《ゆう》めしを食わせんぞお!(この一言で四人とも、いっぺんにだまりこむ。そのシーンとした中に、奥からのサンビ歌だけが、静かに流れて
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