を出したような家には、配給物をやらないというんじゃありませんか。聞いて下さい。そんなあなた! 友吉は正しいのです! そこへ、あなた、夜になると、みんなで、此処へ石やドロをなげつけるんです! 今に罰が当るから、神さまの罰が当って、あやつらが、みんなカッタイカキに[#「カッタイカキに」は底本では「カツタイカキに」]なりやがって、ザマヲミロ! ね! そんなあなた――みなみていよ、そばなもの、神のする事なすことを!
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(間。……空の飛行機の音。木カブの所に寝ている明が、眠りの中でウー、ウーッ、とうなる)
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北村 ……(俊子に)じゃ、僕あ、これで。ちかごろ工場が二十四時間制になって三交替でね、僕あ六時からだから、ちょっと寄って見たんだ。又来るから、あの、だいじにしてね――
俊子 (涙声)ありがとう、北村さん。あなたの御しんせつ、忘れません……。私には見えるの。ええ、……どの人が善い人で、どの人が悪い人か。……心の中が見えるの。……こうして、みんな(いいながら、右手をあげて、そのへんを、バクゼンと指して)友兄さんの事で、せけんからひどい目に逢って、こん
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