。ハハ。今になって見ると、まるで夢のようですが、実に、片倉君の強さというか――キゼンたる態度ですね、ホトホトどうも、なんです――(笑いながらほめあげる調子が、ほとんど憎悪に近い。友吉は、四人の視線に射すくめられて、赤い顔をして小さくなっている)
木山 (彼だけは、率直な好意で友吉のそばに寄って行き)すると、なんですか、日本のはじめた戦争が、まちがった戦争、――シンリャク戦争でしたから、反対なさったのですね?
友吉 はい……(コックリをする)でも――
人見 もちろん、それもあります。しかし、それと同時に、それがどんな戦争であろうと、戦争という――つまり人が人を殺し合う暴力に反対なんですよ、片倉君は。つまりクリスト教の信条によってなにされたんですから。クリスト教徒なんですよ。
木山 そうですか。すると――日本のクリスト信者の中に、ほかにも、そんな人がたくさんおりますか?
人見 いや、そりゃ――なんです――ほかに聞きません――居たかも知れませんが――私の知っている限りでは――
小笠原 アメリカやイギリスには、そんな人は有りまして? あの、あちらは、キリスト教国なんでしょうから、この――
人見
前へ 次へ
全180ページ中159ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング