きげんよく、友吉にエシャクして)そうですか。……いかがです?
友吉 ありがとうございます。いえ、いいんです。(はにかんでいる)
木山 先生の妹さん、どうなさいました?
友吉 あの――
人見 (急に今までの調子とちがった、すこし過度に快活な声を出して)いえね、木山さん、この片倉君は、戦争中、なんですよ、戦争に反対して、召集令状を受けても出征するのをことわりましてね、そのために憲兵隊やケイサツにつかまって、ひどい目にあったんですよ。
木山 え? 戦争に反対? ……(急に非常な興味をもって、眼を輝かして友吉を見る)そうですか! そんな人が、日本にいたのですか!
小笠原 へえ……まあ、そうなんですの、この方が?(珍らしいケダモノを見るように友吉を見あげ見おろす。そこへ竜子が盆の上に茶器をのせたのを持って奥から出て来て、それをテーブルの上にのせながら、話を耳に入れてビックリして友吉を見つめる)
人見 この人の、その、左の腕の不自由なのは、その時の拷問のためでしてね。それから家族の人達もいろいろと迫害されて、お父さんはそのために自殺しました。そのほかいろいろと……私なども、かなりいじめられましたよ
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