スマスですね、先生。(クリスマス・ツリイを見る)実にキレイだ。(ニコニコして)僕は思い出すんです。戦争中のクリスマス――たしか三度、先生と治子さんと僕の三人きりでお祝いをして――一度はそこの林からヒイラギの、こんなチッチャイのを切って来て、そこに立てて、飾りがないもんだから、ローソクを三本立てて、三人で、ソトにきこえないように小さな声でサンビ歌を歌った。ハハ。……それが、しかし、こうしてやれるようになったんですから、実にありがたいですねえ。
人見 ……お母さんなど、内のみなさん、元気かね?
友吉 え? ……ええ。あの、母は死にました。肺炎で――先々月。
人見 ……そう。そりゃ……ちっとも知らないもんだから。そうですか。どうも。(と、ていねいに頭をさげる。友吉も礼を返す)……そいで妹さんの眼の方は?
友吉 俊子ですか? ありがとう存じます。やっぱり同じですけど、すこしは見える――以前よりは良い方なんです。
人見 そりゃ、けっこうです。……それで、なにか御用でも――?
友吉 はい。いえ、べつに、その――
人見 実にこうして会員の方にも来ていただいたり、それから木山さんもわざわざ見えて下すっ
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